愛と勇気と缶ビール

ふしぎとぼくらはなにをしたらよいか

GoogleもしっかりCanvas Fingerprintingをつこてる風

ちょっと前に、次世代のユーザトラッキング法として有名になったCanvas Fingerprintingですが、かのGoogle社も一部のサービスで利用している様子です。

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Google Playのアカウントについては、「一回アカウントをTerminateされたヤツについては、新しいDeveloperアカウント作ろうとしてもクレカ番号とかIPアドレスとかUAとか色々考慮した上で同一個人と判断できたらブロックするけんね」みたいなことを言っているGoogleなので、これもその一環なのでしょう。

ちなみに画像はTor Browserでアクセスした時のものですが、特にやましいことをしようとしていたわけではありません。おーこわ。おーこわ。(ガリガリガリクソン風)

WEB+DB press Vol.83に寄稿しました

WEB+DB PRESS Vol.83

WEB+DB PRESS Vol.83

  • 作者: 原田騎郎,吉羽龍太郎,山口陽平,青木雅弥,松下誠太,三宅英明,高橋征義,南川毅文,伊藤直也,海野弘成,高安洋輝,佐藤歩,泉水翔吾,佐藤太一,横江直輔,舘野祐一,橋本翔,渡邊恵太,中島聡,はまちや2,小沢邦雄,長沢智治,WEB+DB PRESS編集部
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2014/10/24
  • メディア: 大型本
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straceの話をPerl Hackers Hubに書かせて頂きました。

「あー、献本が来た、じゃあもうちょっと後に発売されるんだな」とか思ってたら既に発売されていました。びっくりした。ちゃんとスケジュール把握しろと。

元々この記事の内容からYAPCの発表内容を作ろうかな、と思っていたのですが、当然ながら文章で説明するのと発表は全然違うので、テーマは同じだけどコンテンツは結構違う感じになりました。

日本経済の振興のためにも買ってもらえると幸いです。アベノミクス!

最近便利だったもの(割とめんどくさがりな人向け)

エンジニアという職業をやっていると、「これ便利だよ」という情報が毎週のように流れてくるのでそれを追って実践していくだけで生産性が数倍になったりチョー捗ったり、その割には個人としては特に成長しなかったりとかそういうことが多々あるわけですが、この文章は単なる枕なのでそれほど深い意味はありません。

最近ではあまりの意識の低さゆえに、ツールの設定とか書くだけでもダルいし、若年性健忘症が進行してショートカットコマンドを覚えることすら出来ないので、「インストールするだけでおk」みたいなものしか導入できない状態になっております。

そうした生活の中で、以下の二つはギリギリ使うことが出来て便利なものでした。

vim-gitgutter

はてなブログの機能によってスター・ウォーズにでも登場しそうなアンチャンの画像が展開されていますが、これはインストールするだけでgit的な意味での差分が表示されるようになるので便利です。何も覚えなくていいのが最高です。

Pushbullet

これはスマホとしてAndroid、PCのブラウザとしてChromeを使っていると便利です。何をしてくれるかというと、

  1. AndroidへのPush通知をChromeにミラーリング
  2. Push通知を経由した、Android <=> Chrome間でのテキストとかリンクの受け渡し

なのですが、1の恩恵を受けるだけならほぼ何もしなくていいです。ミラーされてうざい通知を到着ベースでオフればいいだけ。

昨今では通話の着信、アラートメールの受信、ゲームのスタミナの回復などなど、様々な通知がAndroidの通知領域に届くわけですが、スマートフォンを手に持ってなくてもPC側で気づけるので色々快適です。

YAPC::Asia 2014で "strace for Perl Mongers" というタイトルで発表しました

ついでにスライドもあげておきました。

あげるのが遅くなったのは、体調が悪くて家に帰って寝てたからです。スイマセン。

スライド自体は hakimel/reveal.js · GitHub で作ってて、こいつにはpdf印刷向けのcssがあって普通に印刷できるはず…なのだけど、出力した結果、文字が実際の発表時よりもなぜか全体的に上に寄っています。まあ、ご愛嬌ということで。

割とデモをがっつりやった&スライドに書いてないことを結構喋ってたので、スライドだけだとよく分からない部分が多いかもしれません。


全体としては、以下のような反省点があります。

  • 時間余らせちゃうとあれだよなーと思って内容を盛っていったら普通に40分オーバーしてしまった
  • それに伴って、ツールの使い方の紹介だけじゃなくて、アプリ開発者が普段あまり目をやらないレイヤに興味を持つための入り口としてstraceを紹介したかったのだけど、あんまりその辺について喋ってる時間なかった
  • リアルタイムのデモはやっぱり手がもつれたりするので、録画とかにしておけばよかった

などなど。40分の発表って実は初めてだなー無謀だったかなーと色々心配してましたが、破滅的にグダグダにはならなかったからまあギリギリセーフかな…と思います。


見に来て下さった皆さん、そしてYAPC運営に携わって下さっていた皆さん、ありがとうございました。

無料のサービスって怖い

最近、Tumblrで「Googleであなたが調べるとき、Googleもまたあなたを調べているのだ」というテキストを見た。とてもオシャレ、かつ秀逸だ。元ネタはニーチェの「深遠を覗きこむとき、深遠もまたあなたを覗き込んでいるのだ」という箴言だろうが、ニーチェとGoogleという取り合わせ、僕はこういうのに弱いのだ。

また、どこの誰が言っていたのかは忘れたが、「無料で受けられるサービスにおいては、あなたはお客さんではなくて実は商品なのである」という格言めいたものがある。まこと、その通りだと思う。

Googleのように、色々なサービスでかき集めた情報から広告を表示したり、広告枠を売ったりしている企業においてもそうだし、無料のユーザを集めて、ゲーム内の世界に階層と経済を作った上で一部のユーザに金を落とさせるソーシャルゲームにしてもそうだ。

どんな企業も慈善事業でサービスを提供しているわけではないので、無料でサービスを受けるということは、何らかの形で自分の行動や情報が、サービス提供元が利益を得るための「具」になることを暗黙に受け入れるということでもある。誰もそんなことは明確には言わないが。

今の時点でGoogleの各種サービスが使えなくなったら、僕はとても困る。なにせ、Google Playのアカウントが停止されたついでにGoogle Walletが使えなくなり、Androidの有料アプリが買えなくなった程度のことでも少々困っているくらいだから。

要はGoogleにキンタマ握られているのだ。一個人のキンタマが一企業に握られる、とても恐ろしいことだ。だが、一国家や一電力会社や一異性にキンタマ握られて暮らしているのは人間には割とよくあることなので、実はあまり恐ろしいことでもないのかもしれない。

今となってはキンタマ握られているので、Googleのサービスを使い続けるために多少のお金が必要になったとしても僕は払うだろう。でも、最初にGoogleのサービスを使いはじめる時にそれが有料だったら、僕はそれを使わなかっただろう。僕はGoogleに利潤をもたらさなかっただろう。無料のGoogleサービスを使い始めて既にそれに依存している僕は、Googleに利潤をもたらすための商品になった。

そういった暗黙のねじれがあるために、無料のサービスは怖いな、と思うようになった。「これこれの金額を月額で頂きます」とはっきり言い切っているサービスの方が、なんだか安心できるような気がしている。もちろん、そのサービス提供元が僕を商品にしないという保証はなにもない。利潤を出す方針が明確に定まっている企業の方が、何か怪しげな目的にデータを流用しないような気が、なんとなく、する。それだけ。


つい先日、熱海に一泊二日の旅行に行った。

特に登録した覚えはないのだが、予約した宿に行く道中でGoogleマップを見たところ、宿の位置に「x月y日〜x月z日」という表示がされていた。多分Gmailから宿泊予約メールを拾ったのだろう。

何も心配する必要はない。ディストピアに住む人間は例外なく、そこが便利で幸せな社会だと思って暮らす。